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凍てつく寒さのなか
貼りつくように冷たい空気を
肺いっぱいに吸いこんだ。
北陸の厳しい冬。
小さい頃から当たり前のように身をおき
時間を過ごしてきた故郷の風土が、創造のてがかりとなりました。
私たちは自らの身体が持つ無数の感覚器官を働かせながら生きています。
ある時心を動かされるかたちとの、幸運な出会いがありました。
それは陶という素材でできていました。
この時自分の中に流れている何かが反応したのですがその本質を捉えることは出来ず、
確かな確信だけが残りました。
人がかたちに対して心を動かされる時、
人と対象物との間では確かに何らかの"交感"が行われているように思います。
その尊い瞬間に出会いたくて、
そこに、自分の中で脈動しているものの本質を探るヒントがあると信じて、
今日もまた陶という素材と向き合っています。
maki
2022.1.1